醤油コマニマツム

南ドイツで暮らす美大生のアートや生活の紹介ブログ

芸術的な創造性。人間的な創造性。創造性とは?

 

今日は1日、友人の新居のペンキ塗りをしてきました。

ひたすら塗られていく壁と向かい合いながら作業していると、色々な考えが浮かんでは消え浮かんでは、、 の繰り返しで、

そういう時は、黙々とシリアスな考えに沈んでいくものです。。。

考えを巡らせるには良い時間です。

 

 

その中で、最近目にしたオンライン記事からスティージョブズの「創造性とは繋ぐ力」といういかにもジョブズ氏が発言しそうな内容について、私なりの感想を書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

”創造性” と聞いて何を思い浮かべますか?

大半の方が芸術とかデザインとか、何か芸術的な作品のようなものを思い浮かべると思います。

 

しかし結論から言うと私は、創造性=人間性 であり、全てのもの・事に当てはまるもので、誰にでも平等に与えられているものだと思います。

 

なぜそのような考えに至ったのか、美術家やスティーブ・ジョブズ氏の考えなどを参考に、考えを書いていきたいと思います。

 

創造性=思考力 であり、思考は誰にでも与えられています。

また、人間の思考の自由とそれを持つ事は、人であることの定義に直結するのではと考えます。

 

 

 

まず、思想の自由について

私たちの思想の自由は、日本国憲法で保障されています。

思想・良心の自由(しそう・りょうしんのじゆう)とは、人の精神の自由について保障する自由権思想・信条の自由ともいわれる。人間の尊厳を支える基本的条件であり、また民主主義の前提である信教の自由学問の自由表現の自由言論の自由とつながるものである。

 

引用:思想・良心の自由 - Wikipedia

 

”考える事” が憲法で保障されなければならないという事に何か奇妙さを覚えますが、それだけ思想は人や社会にとって大きなものであるという事です。

思考がなければ発展しなくなり、やがて個の消失にも繋がるでしょう。

権力者が支配しようとするとき、思考の操作が行われます。

情報の限定や考える力を奪い、個の意見を持てないようにします。自分の意見だと思っている考えさえも、既に操作によって導かれているのかもしれないのです。

今、あなたを成り立たせている思考も、実は本来のあなたから出た思考ではないかもしれません。

また、考える事自体は動物や虫など他の生物にもできるかもしれませんが、そこから ”発展させて” "創り出す” 能力は人が持つ大きな特徴だと思うのです。

 

 

 

 

ドイツの現代美術家ヨーゼフ・ボイスの思想

20世紀の偉大な美術家の一人、ドイツの現代美術家ヨーゼフ・ボイスは、創造性について以下のように表現しています。

 

人間は誰でも芸術家であり、自分自身の自由さから、「未来の社会秩序」という「総合芸術作品」内における他者とのさまざまな位置を規定するのを学ぶのである』

「創造性」が理性と直観の橋渡しをするとし、創造性と直観によって人間は自分自身を糧として自律的に発展してゆける

 

引用:ヨーゼフ・ボイス - Wikipedia

 

 

”人間は誰でも芸術家であり”

この思想が、私が ”創造性=思想とそれを持つ事は人であることの定義に直結するのでは”、と考えた理由の一つです。

 

 

そもそも芸術とは

芸術とは、表現者あるいは表現物と、鑑賞者が相互に作用し合うことなどで、精神的・感覚的な変動を得ようとする活動。

引用:芸術 - Wikipedia

 

とてもわかりやすい解説だと思います。

この定義に基づくと、実は私たち日常の中にもこのような現象は溢れています。

しかし、それらを意識して行っているか、流動的なものかで芸術かどうかの定義が変わってくるのです。

またボイスが ”創造性と直感” と、対義語としているところで創造性の中に論理や思考を見ることができます。 

 

 

 

 

”創造性=繋ぐ力” ースティーブ・ジョブズの考え

 

toyokeizai.net

 

ようやくジョブズさん登場です。

上記が、スティーブ・ジョブズ氏の考えが書かれた東洋経済のオンライン記事です。

 

 

 

 以下、東洋経済オンラインより本文引用

世界経済フォーラムの調査によると、「創造力」は2015年時点では10番目に必要なビジネススキルだったが、2020年時点で必要になると予測されるビジネススキルとしては第3位に急上昇している。2015年には野村総合研究所が「10~20年後には日本の労働人口の約49%の職業がAIに代替されうる」という調査レポートを出し、日本社会に衝撃が走った。

一方で、論理的にマニュアル化できる定型業務はAIが代替できるが、「創造力」が必要な仕事はまだまだAIでは代替されないといわれる。要するに人間は今後、創造的な仕事においてどんどん活躍すべきだ、というのが国内外の共通した認識となっている。

 

 

 

この記事を読んで、私は 創造力=人間力 と言われているような気がしてなりません。

論理的にマニュアル化できない、個の思考の部分 人間性であり、それを自他共にどう自由に使っていくか。そして育てていくか。

個の思考に「疑問を持つこと」こそがAIとの分別では、と思うのです。

インターネットが起こした大革命は ”創造性の民主化” と言われていますが、人間性民主化、思考の民主化 とも言えるのではないでしょうか。

 

 

 

最後に

子供の頃は何も考えずとも創造性に満ちていた我々。

特に日本社会においては、年齢の増加と反比例して創造的な自由は薄れているように感じます。

しかしどれだけ革命が起きようとも、テクノロジーが進化しようとも、人間の発展には元々備わっていた原始的性質が鍵になるのだと私は信じたいです。

直感、未知への興味、自他への興味を大切にするべきだと思います。

 

 

 

長々となってしまいましたが、最後までお付合いありがとうございました。